社内勉強会 / 配布資料

Claude 勉強会(60分)
はじめての人が、明日から使えるようになる

Claude とは何か・どう頼めばいいか・VS Code と Git でどう使うか。今日やるのはこれだけです。

作成日 2026-10-07(JST) 所要 60 分 対象:Claude を使ったことがない方〜少し触った方
00

今日の進め方

ゴール:終わったときに「Claude に1つ仕事を頼める」「VS Code で Claude を開ける」状態になること。

0:00–0:27
1. Claude について(27分)何者か・何ができるか・どう頼むか。途中で5分の実演+各自お試し。
0:27–0:37
2. Claude と VS Code(10分)開発者向け「Claude Code」を VS Code に入れて動かす手順。デモ中心。
0:37–0:45
3. Claude と Git の関係(8分)Claude に変更を任せても壊れない「安全網」としての Git。運用ルール4つ。
0:45–1:00
4. 質疑応答(15分)よくある質問は先に答えておきます。残りは自由質問。
参加前の準備(任意・3分) claude.ai でアカウントを作っておくと、途中の「お試し」がその場でできます。会社のルール上アカウントを作れない方は、見学だけで問題ありません。
01

Claude について

27分

「何者か」を2分で、「何ができるか」を4分で、残りは「どう頼むか」に使います。頼み方が9割です。

1-1. Claude とは2分

Anthropic(アンソロピック)社が作っている AI アシスタントです。文章で話しかけると、文章で答えます。ChatGPT や Gemini と同じ「生成 AI」の仲間で、文章を読む・書く・整理するのが得意です。

1-2. 何ができるか4分

書く

メール、議事録、報告書、企画書のたたき台、SNS 投稿文

読む・まとめる

長い資料や PDF の要約、ポイント抽出、Excel 表の読み取り

直す

文章の校正、言い換え、丁寧にする・短くする、翻訳

考える相手になる

アイデア出し、反対意見を言わせる、質問を考えさせる

作る

表、簡単なプログラム、Web ページのひな形、図解の案

画像を見る

スクリーンショットや写真を貼って「これ何?」「文字起こしして」

1-3. どこで使うか(3つの入口)3分

入口こんな人向け今日の扱い
claude.ai
Web / デスクトップアプリ / スマホアプリ
全員。ブラウザで開いて話しかけるだけ。メインで扱います
Claude Code
ターミナル / VS Code 拡張
コードや大量のファイルを扱う人。ファイルを読み書きし、コマンドも実行してくれる。Part 2 で扱います
API自社サービスに AI を組み込みたい開発者。今日は扱いません

1-4. モデルの選び方2分

Claude には「頭の良さと速さのバランス」が違う複数のモデルがあります。迷ったら既定(デフォルト)のままで大丈夫です。

モデルひとことで
Claude Opus 5.5標準。難しい相談や長い文章はこれ。
Claude Sonnet 5.5速くてバランス型。日常の作業はこれで十分。
Claude Haiku 4.5軽くて速い。単純作業・大量処理向け。
Claude Fable 5.1最上位。最も難しい作業向け(提供状況はプランによる)。

※ 2026-10-07 時点の公式モデル一覧より。画面上の表示名やプランごとの利用可否は 出典 の公式ページで確認してください。

1-5. 頼み方の基本 — これだけ覚えて帰る8分

うまくいかない原因の大半は「頼み方が短すぎる」ことです。人に頼むときと同じで、目的・相手・形式を添えると一気に良くなります。

  1. 目的と相手を書く「社外の取引先に送る」「上司に3行で報告する」など、誰に何のために使うかを最初に書く。
  2. 材料を貼る元のメール、議事メモ、PDF、スクリーンショットをそのまま貼る。要約させるなら元データが必要。
  3. 形式を指定する「箇条書き5つ」「表で」「300字以内」「です・ます調」など、出てきてほしい形を決める。
  4. 1回で終わらせない「もっと短く」「2番目を詳しく」「別の案を3つ」と続けて直す。会話は続けてよい。
  5. 事実は自分で確認するClaude は自信ありげに間違えることがある。固有名詞・数字・日付・法律は必ず元情報で確認。

悪い例 → 良い例

✕「この文章を直して」
○「以下は取引先 A 社への納期遅延のお詫びメールの下書きです。失礼のない丁寧な文面に直してください。300字以内、件名も付けてください。〔下書きを貼る〕」

1-6. 実演+各自お試し5分

講師が1つ実演したあと、各自で下のどれかをコピーして claude.ai に貼ってください。〔 〕の中は自分の内容に置き換えます。

お試し A:議事録を作る以下は会議中に取ったメモです。これを「決定事項」「宿題(担当・期限)」「次回までの確認事項」の3つに分けて、箇条書きの議事録にしてください。敬体(です・ます)で、A4半分くらいの分量で。 〔メモをここに貼る〕
お試し B:メールを整える以下のメール下書きを、社外の取引先に送る前提で、失礼のない丁寧な文面に直してください。要件が伝わるように、300字以内で、件名案も1つ付けてください。 〔下書きをここに貼る〕
お試し C:資料を要約する(PDF を添付して)添付した資料を、初めて読む人向けに要約してください。 1. 全体を3行で 2. 重要なポイントを5つ、箇条書きで 3. この資料を読んだ人が次に取るべき行動を1つ 専門用語には短い説明を添えてください。

1-7. 使うときの注意3分

機密情報・個人情報は貼らない 顧客名簿、未公開の数字、パスワードなどは入力しない。社内で「入れてよい情報」のルールがあればそれに従う。データの扱い(学習に使われるか等)はプランと設定で変わるので、公式のプライバシーページで確認する。
最終責任は人が持つ Claude の出力は「下書き」。そのまま社外に出さず、必ず人が読んで直す。特に数字・日付・固有名詞。
便利な機能(慣れてきたら) プロジェクト:関連する資料と指示をまとめて保存し、毎回貼り直さなくて済む。
ファイル添付:PDF・画像・Excel をそのまま読ませられる。
Web 検索:最新情報が必要なときに「検索して」と頼む。
02

Claude と VS Code

10分

開発者向けの「Claude Code」を VS Code に入れると、エディタの中で Claude がファイルを読み書きしてくれます。入れ方と最初の一言を覚えて帰りましょう。

2-1. Claude Code とは2分

claude.ai が「会話する Claude」なら、Claude Code は「手を動かす Claude」です。プロジェクトのフォルダを渡すと、ファイルを読み、直し、コマンドを実行し、結果を報告します。ターミナル版と VS Code 拡張版があり、会話履歴は共有されます。

VS Code は Microsoft 製の無料エディタです。未インストールの方は code.visualstudio.com から入れてください(バージョン 1.94.0 以上が必要)。

2-2. 入れ方(3ステップ)3分

  1. VS Code の拡張機能ビューを開く左のブロック型アイコン、または Cmd+Shift+X(Windows は Ctrl+Shift+X)。
  2. 「Claude Code」を検索してインストール提供元が Anthropic のものを選ぶ(ID: anthropic.claude-code)。
  3. サイドバーの Claude アイコンを押してログインブラウザが開くので、Claude アカウント(Pro / Max / Team / Enterprise)または Claude Console でサインイン。以降は保存されます。
無料プランでは使えません Claude Code は Pro 以上の有料プラン、または Console(API 課金)が必要です。会社でどのプランを使うかは事前に確認してください。

2-3. 使い方の基本3分

フォルダを開いて話しかける

プロジェクトのフォルダを VS Code で開き、サイドバーのパネルに日本語で指示する。

@ でファイルを指定

「@ファイル名」で読ませたいファイル・フォルダ・行範囲を指定できる。

Plan mode で先に計画を見る

いきなり変更させず、まず計画を出させて確認してから実行できる。初心者はこれを使う。

差分を行ごとに採用・却下

提案された変更はインラインで比較表示され、行単位で受け入れ・却下できる。

最初の一言はこの3つから。コードが読めなくても大丈夫です。

最初の一言 ①このプロジェクトが何をするものか、初めて見る人向けに日本語で説明して。主なファイルの役割も一覧にして。
最初の一言 ②@〔ファイル名〕 を読んで、分かりにくい点や改善できる点を指摘して。まだ変更はしないで、提案だけ出して。
最初の一言 ③この変更を加えたい:〔やりたいこと〕。まず計画を出して。私が OK と言ってから変更を始めて。

2-4. ターミナル版との違い2分

03

Claude と Git の関係

8分

Claude にファイルの変更を任せると「壊されないか」が不安になります。その不安を消すのが Git です。仕組みを1分、関係を3分、運用ルールを4分で。

3-1. Git とは1分

ファイルの変更履歴を保存し、いつでも前の状態に戻せる仕組みです。保存の単位を「コミット」と呼びます。GitHub はその履歴をチームで共有する場所です。Word の「変更履歴」をフォルダ全体に効かせたもの、と思ってください。

3-2. Claude と Git の3つの関係3分

① Git は Claude の「安全網」

Claude が変更を間違えても、直前のコミットまで一瞬で戻せる。だから Claude に任せる前に必ずコミットしておく。

② Claude は Git を「使える」

Claude Code は差分の確認、コミットメッセージの作成、ブランチ作成、Pull Request の作成まで頼めば実行する。

③ 履歴は Claude の「文脈」

Claude はコミット履歴や差分を読んで「何がいつ変わったか」を理解する。履歴がきれいだと Claude の精度も上がる。

3-3. 明日からの運用ルール(4つ)4分

  1. Claude に触らせる前にコミットする(またはブランチを切る)「戻れる地点」を作ってから任せる。これだけで事故の9割は防げる。
  2. Claude の変更は差分(diff)を見てからコミットするVS Code の Source Control や拡張のインライン diff で、何が変わったかを目で確認する。読めなくても「触ってほしくないファイルが変わっていないか」は分かる。
  3. コミットメッセージは Claude に書かせてよい。ただし人が確認する「何を・なぜ変えたか」が書けていれば採用。嘘や過剰な表現があれば直す。
  4. push・Pull Request・履歴の書き換えは、人が明示的に指示したときだけローカルの変更は戻せるが、共有先に出た変更は他の人に影響する。「push して」と自分が言ったときだけ。

そのまま使えるお願いの仕方:

Git 向け ①:作業前に安全地点を作る作業を始める前に、今の状態を確認して未コミットの変更があれば教えて。問題なければ feature/〔作業名〕 というブランチを切ってから作業を始めて。
Git 向け ②:変更内容を確認してコミット案を出す今の変更内容(diff)を日本語で要約して、適切なコミットメッセージを提案して。コミットはまだしないで。私が OK と言ったら実行して。
Git 向け ③:何が変わったか把握する直近 10 件のコミットを読んで、このプロジェクトで最近何が変わったかを初めて見る人向けに箇条書きでまとめて。
やってはいけないこと パスワードや API キーをコミットしない(履歴に残ると消すのが大変)。git push --force など履歴を書き換える操作は Claude に頼まない。迷ったら「変更せずに提案だけして」と付け加える。
Git が初めての方へ 今日は「コミット=セーブポイント」「diff=変更点の確認」の2語だけ覚えれば十分です。コマンドは Claude に頼めば実行してくれます。
04

質疑応答

15分

よく出る質問を先に。残り時間は自由質問です。質問はその場で講師が Claude に投げて、一緒に答えを見るのもありです。

ChatGPT と何が違うの?
作っている会社が違い(Claude は Anthropic、ChatGPT は OpenAI)、得意分野や性格に差があります。どちらが上かは用途と時期で変わるので、自分の仕事で同じ依頼を両方に投げて比べるのが一番確実です。
無料で使える?
claude.ai には無料プランがあります(回数・機能に制限あり)。Claude Code は有料プランか API 課金が必要です。最新の料金は 出典 の公式ページで確認してください。
入力した内容は AI の学習に使われる?
プランと設定によって扱いが違います。会社で使う場合は Team / Enterprise プランや API の規約を確認し、社内ルールに従ってください。この資料では断言しません。公式プライバシーページを参照。
間違ったことを言う?
言います。特に固有名詞・数字・日付・最新情報。「出典を示して」「分からなければ分からないと言って」と頼むと減りますが、ゼロにはなりません。最終確認は人がします。
日本語で頼んで大丈夫?
大丈夫です。日本語の読み書きは十分実用レベルです。英語の資料を貼って「日本語で要約して」もできます。
プログラマーじゃないけど Claude Code は意味ある?
あります。大量のファイルの整理、Excel や CSV の加工、簡単なツール作りなどは、コードを読めなくても「やりたいこと」を日本語で伝えれば進みます。ただし claude.ai で十分なことも多いので、まずは claude.ai から始めるのをおすすめします。
長い資料はどのくらい読める?
現行モデルは非常に長い文章(書籍数冊分)を一度に扱えます。実務上は PDF 数十ページ程度なら問題なく読めます。ファイルサイズの上限は公式ドキュメントを確認してください。
05

明日やること(チェックリスト)

今日の内容を「1回使った」状態にして定着させます。合計 15 分で終わります。

  1. claude.ai を開いて、今日のお試し A〜C のどれかを自分の仕事で1回やる議事録・メール・要約のどれか。出てきたものを1回「もっと短く」で直してみる。
  2. うまくいった頼み方をメモに残す自分用の「定型プロンプト」が1つできれば、明日から時短になる。
  3. (開発者のみ)VS Code に Claude Code を入れて「最初の一言 ①」を投げる自分の担当プロジェクトの説明をさせてみる。説明が合っているか確認する。
  4. (開発者のみ)Claude に変更を頼む前にコミットし、終わったら diff を見てからコミットする「Git 向け ①」「Git 向け ②」をそのまま使う。
困ったときは「どう頼めばいいか分からない」ときは、Claude 本人に「〔やりたいこと〕をあなたに頼みたい。どんな情報を渡せば良い結果になる?」と聞くのが一番早いです。